Q1. |
高齢だと染色体異常児が生まれる可能性が高いと聞きましたが。 |
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A1. |
お母さんの年齢が35歳以上ですとおなかの赤ちやんがダウン症などの染色体異常である確率が高くなることが知られています。
ですから35歳以上で希望される方には、染色体異常がないかどうか出生前検査を行なうことがあります。
現在最も広く用いられているのは羊水検査です。
妊娠経過が安定し羊水の量が十分にあり、また胎児からの細胞が羊水中に十分に含まれている妊娠15〜18週頃に検査を行ないます。
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Q2. |
妊娠中にも薬を飲んでもよいですか? |
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A2. |
薬の中にはいわゆる奇形児の原因となることがわかっているものや、また害はないかもしれないけれども安全であるかという保証のないものもあります。
また薬の種類だけでなく妊娠の時期によっても危険かどうかに差がでてきます。
妊娠2ヶ月頃から4ヶ月頃までは特に注意が必要です。
妊娠している時は必ず産婦人科で相談するようにしてください。
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Q3. |
妊娠中のタバコの影響は? |
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A3. |
妊娠中の喫煙は母体や胎児に悪影響を与えます。
喫煙と胎児奇形の関係ははっきりしていませんが、喫煙は胎盤の血の流れを阻害するために胎児に対して悪影響をもたらす事をお母さん自身がよく理解することが大切です。
生まれてくる赤ちゃんのためにもタバコはやめましょう。
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Q4. |
夫が喫煙していますが? |
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A4. |
間接的に煙を吸っても低出生体重児などのリスクが高くなります。
まず、喫煙が胎児に及ぼす影響について自分自身がよく理解し、喫煙者である夫や職場の同僚に理解を求めましょう。
又、間接的に煙を吸う機会が多い場合には、窓を開けたり、空気清浄機などを用いて部屋の換気に努めることも大切です。
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Q5. |
コーヒー、紅茶は飲んでもよいでしょうか? |
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A5. |
飲み過ぎにさえ気をつければ飲んでも構いません。
ただし、コーヒー、紅茶にはカフェインという物質が含まれており、これは胎盤を容易に通過して胎児に移行します。
胎児のカフェインを排泄する能力は成人に比べて未熟であるため、毎日大量にコーヒー、紅茶を飲み続けると胎児の体内にカフェインが蓄積されることがありますので注意が必要です。
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Q6. |
母親の食事内容によっておなかの赤ちゃんがアトピーになると聞きましたが? |
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A6. |
アトピーの母親は牛乳・卵・大豆製品の摂取のしかたに注意が必要であるとされています。
大切なことは、毎日続けて摂らないこと、例えば大豆製品を、毎日大量に食べるような献立は避けて下さい。
また、牛乳は1度煮沸してから、卵は加熱した料理を食べるようにするといいでしよう。
また、出産したらできるだけ母乳栄養にし、お母さんはバランスのとれた食事を摂るように心がけましょう。
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Q7. |
子宮筋腫があると言われましたが |
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A7. |
子宮筋腫があると妊娠初期は流産の頻度が少し高くなります。
したがって、出血などの症状を認めた場合はすぐに病院へ来て下さい。
お産は経膣分娩が多くの人の場合可能です。
また帝王切開になった場合は、筋腫の手術は出血が多くなる傾向があるので行なわないのが普通です。
筋腫があるというだけでは帝王切開になりません。
筋腫が産道の邪魔になるような場所にある場合は帝王切開になりますが、筋腫が産道の邪魔になるかどうかは10ヶ月近くにならないとわかりません。
筋腫があるとお産の後に子宮の収縮が悪くなることがあるので少し注意が必要です。
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Q8. |
上の子がはしか、風疹、水痘等などにかかってもお腹の赤ちゃんに影響しませんか? |
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A8. |
風疹、水ぼうそう、おたふく、麻疹などは、あなたが過去に罹っていたりワクチンを打っていれ ば抗体をすでにもっているのであなたに感染することはありません。
当然、赤ちゃんにも影響ありません。
風疹については妊娠初期の検査で確認してあります。
あなたが過去に罹ったことがなければあなたにも感染する可能性があり、その場合は念のために検査をしましょう。
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Q9. |
切迫流産と云われましたが。 |
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A9. |
切迫流産とは流産しかかってる状態で出血、下腹部痛などの症状があるものです。
治療はまず安静ですが、症状が続く場合にはお薬を投与します。
まず出血に対しては止血剤をお使います。
下腹部痛は子宮が収縮するための痛みですから、子宮を収縮させない薬を服用してもらいます
症状が強い時は点滴注射をする場合もあります。
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Q10. |
つわりがひどいのですが? |
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A10. |
つわりは妊娠すると多くの妊婦さんにその症状がでます。
しかし、ほとんどの方が軽くてすみまもなく治癒します。
いつも気分が悪く、食べてもすぐ吐いてしまい、食べられなくなった状態であれば入院をして安静にして点滴を受けたほうがよいでしよう。
食べられない状態がつづくと、体の中のエネルギー源の糖分が不足します。
この状態では入院して点滴を受けたほうがよいと思います。
ほかにつわりでない内科的疾患も考えねばなりませんので、入院して安静して点滴と同時にいろいろな検査をしたほうがよいと思います。
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Q11. |
妊娠がわかる前に、X線検査を受けてしまったのですが? |
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A11. |
胸の写真を1〜2枚撮っただけであればまず赤ちゃんに影響はないと考えてよく、安心してよいと思います。
問題は胃の透視の検査をした場合です。
会社での健康診断では胃の透視を長時間かけて撮影することはないので、多分短時間で3〜4枚くらい撮影したのであればまず赤ちゃんが奇形になる確率は、X線検査をしなかった場合と同じと考えてよいと思います。
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Q12. |
海外旅行は大丈夫でしょうか? |
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A12. |
妊娠している方の旅行はなるべくしない方がよいでしょう。
但し旅行する場合は決して無理をしないこと、おなかが張る場合には横になって休むなど気を付けて下さい。
特にツアーなどでの旅行は短時間に多くの所を見学するように企画されていて、時間的余裕がない場合が多いので気を付けて下さい。
おなかが痛んだり出血がある場合には、現地の専門医にみてもらって下さい。
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Q13. |
便秘に下剤を飲んでいいでしょうか? |
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A13. |
妊娠すると便秘になりやすくなります。
下剤は作用のゆるやかな漢方等がよいです。
妊娠中飲む下剤では、胎児に奇形を起こさせたり、悪影響はないと考えてよいとおもいます。
しかし、下剤を長期間飲むことは決して良いことではありません。
したがって妊娠中便秘にならないように、また規則正しく繊維の多い野菜、サツマイモ、果物を多くとるようにして下さい。
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Q14. |
クラミジアとは何ですか? |
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A14. |
最近では妊婦さんの5〜10%にクラミジアの感染があるといわれております。
妊婦さんにクラミジアが感染している場合は流産や早産が起こりやすいといわれておりますし、お産の時に赤ちゃんに感染して出産後の赤ちゃんに結膜炎や重症の肺炎を起こすこともあります。
このようなことから妊婦さんにクラミジアが感染していることがわっかた場合は、抗生物質を使って妊娠初期から治療をしておく必要があります。
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Q15. |
陥凹乳頭、扁平乳頭といわれました。 |
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A15. |
陥凹乳頭が特に問題となるのはお産後、母親が陥凹乳頭であると新生児がお乳を吸うことが出 来ないので困ります。
軽症の陥凹乳頭では指や吸引によって乳頭を引っ張り出すことができるので、非妊時あるいは妊娠初期からの適切な乳房管理が必要と思います。
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Q16. |
尿に糖が出ると言われましたが? |
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A16. |
妊娠初期から尿糖が陽性だったり肥満していたり巨大児を分娩した経験のある方は、妊娠23〜28週の間に糖負荷試験を受けて妊娠糖尿病かどうか診断してもっらて下さい。
妊娠糖尿病は検査をして診断しないとわかりません。
ですから、知らずにいると血糖値が急上昇して巨大児ができて難産になったり赤ちゃんに分娩障害のための後遺症が残ることもあります。
でも、正しく診断して血糖コントロールを正しく行なえば決して恐いものでなく、正常に発育した赤ちゃんを産むことができます。
妊娠後半期には、正常の妊婦さんでも尿に糖が出現することはよくあることでほとんど心配はいりません。
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Q17. |
体重が増えて困ります! |
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A17. |
日本人の場合妊娠経過中に平均約10〜11kgの体重増加があります。
但し、異常に増加する場合は要注意です。
検査の結果、糖尿病があれば治療が必要です。
妊娠中毒症があれば食事療法を行ないましす。
一般的に夕食はす少なめにして、早く寝ることが大切です。
夜遅くまでテレビを見ていて、夜食や間食をする人は太るようです。
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Q18. |
腹帯は必要でしょうか? |
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A18. |
腹帯をする理由として、腹部を保温したり、衝撃から守ったりおなかが垂れすぎないようにといったものがありますが、腹帯が必要である医学的根拠は特にないと考えられます。
むしろお腹を締めつけるので、子宮内の血行が悪くなり胎児に悪影響があるため、最近は腹帯禁止の傾向にあります。
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Q19. |
セックスは害がありますか? |
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A19. |
妊娠中の性行為は、子宮が収縮したり感染を起こしたりで胎児にとって良い影響はあまりありません。
最近では精子が膣内の細菌を子宮内に運ぶから子宮内に炎症が起こり、早産の傾向になるとされていますので妊娠後半期はコンドームを使用して膣内に精子を出さない様にする事が大切です。
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Q20. |
胎動が少ないのですが大丈夫ですか? |
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A20. |
胎動の感じ方には個人差があり、ときには長時間感じないこともあります。
また赤ちゃんもおなかの中で寝たり起きたりしているので、寝ている時は胎動も少ないので心配いりません。
但し、胎動が以前より明らかにすくない時は次回の診察日を待たずにすぐ診察においで下さい。
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Q21. |
妊婦貧血と言われましたが・・・。 |
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A21. |
妊娠中は栄養が胎児にと送るため、貧血になりやすいのです。
また、貧血があると安全に出産 ができませんので治療しておくことが大切です。
鉄剤を内服するか造血剤の静脈注射をします。
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Q22. |
最近、脚がむくむのですが? |
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A22. |
血圧や尿蛋白が正常なら単純な妊娠浮腫と考えられます。
妊娠中には体に水分が貯まりやすく、むくみの出る人がかなり多いのです。
特に水分は下半身に貯まりがちなので、立ち仕事のあと夕方になると脚のむくみ強くなり、靴がはけなくなるほどひどいことがあります。
しかし、一晩寝るととれてしまうのがほとんどです。
このような場合はそのまま様子をみていてさしつかえありません。
しかし、むくみは妊娠中毒症の前触れともいわれますから、横向きに寝る時間を多くしたり、塩辛いものを控えるなどの注意は必要です。
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Q23. |
切迫早産とは何の事ですか? |
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A23. |
切迫早産は満期でないうちに陣痛のように子宮が頻繁に硬くなったリ、子宮の出口が柔らかくなったりしてしまう状態です。
症状が軽い場合、子宮の収縮を抑制する飲み薬を服用して、家で安静にし様子をみることもありますが、安静にしていても症状がよくならない時は、入院して厳重に管 理す る必要があります。
原因の一つとして、膣や子宮の出口の部分に起こった炎症が赤ちゃんを 包んでいる卵膜に波及して、子宮を収縮させたり、子宮の出口を軟らかくしたりし、さらに卵膜を弱くし破水を きたすことがわかってきました。
入院後は安静とともに子宮収縮抑制剤の投与が行われ、さらに症状 によって抗生物質の投与、炎症によって生成される物質を抑制する薬物の投与がなされます。
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Q24. |
妊婦水泳をしたいと思いますが大丈夫でしょうか? |
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A24. |
水泳は重くなった身体を動かすには最適です。
水の圧力や浮力によって大きな運動効果が得られますし、温水中ですので体温の急激な変化や子宮収縮も起こりにくいなどの利点があります。
今日では大勢の方が妊婦水泳に参加しています。
診断書を書きますので、それを持たれてマタニティースイミングスクールに参加して下さい。
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Q25. |
骨盤位(さかご)と言われましたが? |
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A25. |
逆子を治す体操とか外回転術といって、おなかの上から胎児を強制的に回転させる方法もありますが、お腹が固くて外回転しにくい人は、入院して子宮が柔らかくなる点滴注射をしながら外回転をする場合もあります。
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Q26. |
カンジダ膣炎と云われましたが? |
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A26. |
カンジダ症は、妊娠中にはよくある感染症で痒みがあります。
特別恐いものではありませんが、お産の時に膣内に残っていると赤ちゃんにうつることがありますから、早めに治しておきましょう。
治療法は、通院して膣内の洗浄と膣坐薬の投与を受け、外陰にクリ−ムを塗ります。
治療後2週間くらいしたら、もう一度分泌物の検査をします。
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Q27. |
おりものが多いのですが、破水でしょうか? |
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A27. |
妊娠末期になると尿もれも時々あります。
尿の時は内股にお湯が出た感じで、破水の時は少しベタついて、うすいノリの感じがすると言われています。
分からない時は診察してもらいましょう。
テストすれば破水がすぐに分かります。
破水と診断された時は、入院が必要になります。
妊娠末期であれば、破水後しばらくして陣痛が始まる事が多いのでそれを待ちます。
12〜24時間程待っても陣痛が始まらない時は、お薬で陣痛を起こすことになります。
破水が起こって時間が経つと細菌感染が起こりやすく、適切な時間内に分娩を終了させる必要があります。
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Q28. |
前回は帝王切開ですが今度は普通の分娩が出来ますか? |
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A28. |
前に帝王切開をしていると、次の分娩時に子宮破裂が起こる危険があります。
今回の妊娠末期に、胎児があまり大きくない事、児頭がよく下がっている事、前回帝切が横切開である事などを参考にして決めます。
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Q29. |
分娩後のシャワーや風呂(入浴)はいつからよいのでしょうか? |
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A29. |
シャワー浴は、分娩の翌日からできます。
それによる感染などはありません。
気分爽快となり、衛生上も大変良いと思います。
入浴は一ヶ月検診後でよいでしょう。
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Q30. |
母児同室、母児異室はどちらがよいのでしょうか? |
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A30. |
母児同室のもつメリットは、いつも我が子と一緒にいることができ赤ちゃんの泣き声が聞けて、母親になった喜びを味わうことができることでしょう。
そして、その刺激は母乳分泌を促す因子となります。
デメリットとしては、赤ちゃんの状態が気になり、夜間睡眠がとれない人もあります。
不眠は産褥神経症(マタニティーブルー)の原因ともなり、また母乳分泌抑制の原因となります。
母児異室は児の状態観察を任せられるため十分睡眠をとることができ、安心して入院生活を送れることがメリットということになります。
デメリットは、いつも赤ちゃんとははなれてた状態にあるため、気がかりで心淋しい思いをすることとなるわけです。
これらの特性を十分配慮し、昼は同室、夜間は異室とする仕方もあります。
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Q31. |
子どもはもういらないのですが、どうしたらよいでしょうか? |
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A31. |
妊の手段としてピルの服用、リング挿入と不妊手術があります。
最近は、ピルも改良されて使用しやすくなっているのでお薦めできます。
また、リングを子宮内に挿入しておけば避妊することができますが、時々妊娠することがあります。
確実に近い避妊を希望するならば、不妊手術があります。
女性側の卵管結紮と、男性側のパイプカットがあります。
女性側への卵管結紮は産後1〜3日以内で入院中に行うほうがよいでしょう。
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Q32. |
母乳で育てたいのですが? |
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A32. |
母乳には色々と利点があります。
@母乳には赤ちゃんを守る抗体が含まれているので、赤ちゃんが外界の病気にかかりにくくなります。
A母乳で育てると子どもの知能指数が高くなるとされています。
B母乳で育てると子どもの情緒の成長がスムーズで素直な良い子に育ちます。
なるべく母乳で育てるようにしましょう。
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Q33. |
オッパイが出ないんですが? |
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A33. |
母乳を出すための努力をどんなにしても、5%前後は母乳がでないとされています。
95%前後のお母さんは、努力をすれば母乳だけで赤ちゃんを育てることができるわけです。
家の仕事が忙しくて母乳を与える回数が減ってしまう人や、オッパイのトラブルが原因となって母乳の出が悪くなってしまう場合もあります。
母乳を出す工夫は、赤ちゃんが泣いたら何回でも飲ませる事です。
そうしていると段々と母乳が出る様になります。
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Q34. |
産後のセックス開始はいつからよいでしょうか? |
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A.34 |
一般的には子宮内腔よりの悪露の流出がなくなり、局所が清潔になってから夫婦生活を再開しましょう。
1ヶ月検診時に子宮の収縮が良好で悪露も白色化し、膣・会陰の創面もきれいであると言われたら、夫婦生活を再開して下さい。
局所の疼痛がある時はしばらく延ばして下さい。
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Q35. |
いつまで母乳をあげたらよいでしょうか? |
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A35. |
色々な考え方がありますが、一年で無理に断乳する事はないとおもいます。
欲しがる時にお乳を与えていると、暫くしてもう欲しがらなくなります。
自然でよいとおもいます。
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Q36. |
出生届、死産届の期限はいつ、どこへ届けるのでしょうか? |
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A36. |
出生届は、子供が生まれてから14日以内に生まれた場所、あるいはあなたの本籍地ないし住所の市区町村役場に届けることになっています。
用紙は出産した施設で用意してあると思いますし、また、出生証明書と一緒になっているのでその証明をもらったうえで、子供の名前、あなたの住所氏名などを書いて届けます。
死産届も死産した施設に用紙があります。
死産した胎児の取り扱いはお尋ね下さい。
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Q37. |
稽留流産でしたが、出産手当は請求できますか? |
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A37. |
稽留流産の場合であっても流産が起こった時期が妊娠12週以後であれば、請求することにより健康保険から出産育児一時金が支払われます。
これは、お産をした場合と同額が支払われますが、妊娠12週以降の流産、死産の場合は規則によって死産証明書を役所に届けなければなりませんので、その手続きを行ってください。
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Q38. |
頭血腫はほうっておいてもいいのですか? |
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A38. |
赤ちゃんが生まれてくる時に狭い産道をくぐり抜けるために頭をこすられて、頭の骨の一部がはがれてそこに出血が起こるとたんこぶになります。
出血している場所は頭の骨の外側の部分で、脳の中身ではありませんから心配はいりません。
しかし、すっかり平になるには2ヶ月くらいかかるかもしれません。
もう一つあげるとしたら、出血した血液が壊れてビリルビンという黄疸の色素に変わりますので、黄疸が長引いたり強くなることがあるかもしれません。
ただ黄疸の経過はもうピークを過ぎて下がり始めていますから、これから黄色くなったとしても脳への影響は出ないと思います。
心配なときには少しの血液検査で黄疸はすぐにチェックできますから、ご連絡下さい。
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Q39. |
頭が変形しています。 |
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A39. |
頭が変形していても赤ちゃんは日に日に活発になり、動きも激しくなりますので、少しずつ自然に頭の形はよくなります。
お誕生日の頃まではまだ頭の骨も柔らかいので、“いびつ”な頭も段々とわからなくなってきます。
この頭の“いびつ”は大人になるまで続くものではありませんので、心配する必要はありません。
どうしても気になるようでしたら、赤ちゃん用の枕を使っ少しずつ矯正するのもよいでしょう。
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Q40. |
うなじの赤いあざはとれますか? |
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A40. |
うなじの赤いあざは、新生児の3人に1人の割合でみられ赤ちゃんのあざの中で最もありふれたものです。
うなじのあざは普段は目立ちませんが、お風呂に入った後や激しく泣いた時などに、その部分の血液の流れが増えて赤みが目立ってくることがありますが、気になさらないで下さい。
いずれ赤ちゃんが大きくなって髪が伸びてくると、隠れてしまいます。
この赤い母斑はほとんど自然に消えてしまいますが、5〜10%は成人になっても残るようです。
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Q41. |
白目に赤い出血がみえるのは? |
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A41. |
白目の出血はこれ以上出血が進行することはなく、1〜2週間で自然に吸収されて消えてしまうと思います。
視力には影響がないので心配いりません。
お産の時に、赤ちゃんの頭や首が圧迫され、血液がうっ滞して血がにじみ出したために生じたものと考えられます。
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Q42. |
生まれた時からのどがゴロゴロ、ゼロゼロして心配です。 |
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A42. |
哺乳力が良好で機嫌がよいのであれば喉頭軟化症が最も考えられます。
のどの奥のほうの構造が未熟であることが大きな原因です。
通常は、3〜6ヶ月頃に最もゼロゼロが強くなります。
そして1歳頃にはゼロゼロは弱くなり、遅くても2歳までには消失するといわれています。
感染などをきっかけに、呼吸状態が急に悪化することもありますので、その時は救急外来を受診してください。
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Q43. |
入浴時に耳に水が入ったようですが? |
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A43. |
沐浴中に耳に水が入ったかなと心配になることはよくあります。
しかし、耳の中に入った水で中耳炎になったりすることはないのです。
耳の穴から入口から鼓膜までを外耳道といいますが、その長さは赤ちゃんで約1cmぐらいしかありません。
ですから耳に水が入って赤ちゃんがびっくりして泣くこともありますが、その時あせって綿棒などを突っ込むと外耳道を傷付けるだけでなく、鼓膜を破ってしまうこともあるので、ガーゼや脱脂綿などを軽く押し当てるだけで水分は吸収できます。
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Q44. |
逆まつげのようですが? |
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A44. |
まつげが内側の目の方向に生えているのを逆まつげといいます。
日本の子供に多い病気で、軽いものは成長と共に自然に治ります。
乳児の頃はまだまつげが柔らかいので症状も少ないですが、年齢共にまつげが太くなると常に目を刺激していつも涙が出たり、目がゴロゴロするので汚い手でこすって結膜炎を起こしたり、ひどい時には角膜が濁り視力が落ちることもあります。
重症なものは早めに手術して治す必要があります。
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Q45. |
へそがじゅくじゅくしていますが? |
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A45. |
多分臍肉芽腫によるものと思われます。
これは臍帯が脱落したあとに臍帯の一部が残って肉芽形成をすることにより発症します。
急ぐ必要はありませんが、治療を受ける必要があります。
治療方法は、硝酸銀棒を肉芽の所に数秒あてて焼灼します。
この治療によりきれいに直りますので、心配なさらなくてもよいと思います。
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Q46. |
出べそです。どうしたらかっこうのよいおへそになりますか? |
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A46. |
へその緒がとれたあとおなかの穴ががうまく閉じずに穴が開いていると、そこに腸が出てくるものです。
皮膚に覆われているので腸自体には何も影響しませんが、ごくまれに嵌頓といって、おなかに腸がもどらなくなることもありますが、ほとんどは小さくなって自然に治ってしまいます。
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Q47. |
おちんちんの袋が片方大きいようですが、どうしたらよいですか? |
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A47. |
陰嚢が腫れている場合、陰嚢水腫と鼠径ヘルニアが考えられます。
陰嚢水腫では睾丸の周りを覆っている袋に水がたまったタイプが多く、ほとんど自然によくなります。
鼠径ヘルニアの場合、おなかに力を入れたり泣いたりすると、膨らみが大きくなることが多く、触るとぐにゅぐにゅした感じがして小さくなります。
本来閉じるべき穴が開いてるため小腸がでてきてこのような触れ方をしますが、これが赤く腫れぼったくなったり、硬く触れて触れると痛がるようなら早く受診して下さい。
ヘルニアのかんとんといって、腸などがヘルニアのなかでねじれて血液が通わない状態になっていることもありますので治療が必要です。
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Q48. |
お尻がただれていますが? |
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A48. |
おむつかぶれだと考えられます。
排尿・排便の後で、よく洗うことやこまめにおむつを取り替えることでだんだん良くなってきますが、ただれが拡がってゆく場合は、カンジダなどによる皮膚の感染症の可能性もあります。
おしっこやうんちに含まれるアンモニヤや蛋白分解酵素、脂肪分解酵素などにより炎症を起こしやすくなりますので、おむつをこまめに取り替えることや、局所をよく洗って乾かすことも大切です。
炎症が強い場合には、非ステロイド系の抗炎症剤や抗生物質を含んだ軟膏を用います。
お薬は沐浴の後や排便の後、またおむつ交換の時などに、必ず皮膚をきれいにしてから塗布して下さい。
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Q49. |
一度消えた黄疸がまた出てきたようなきがしますが? |
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A49. |
一般に顔や胸の黄疸はなかなかとれませんが、手や足などの末端に黄疸がなければ、心配はいりません。
ただし一度消えた黄疸が再び強く出てきたようでしたら、検査が必要ですので一度おいで下さい。
特にグタッとして食欲や機嫌が悪い場合や発熱がある場合は、感染症などが疑われますのですぐに専門医の診察を受けて下さい。
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Q50. |
オッパイを飲む回数は一日に何回ぐらいがよいのですか? |
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A50. |
分娩後、まず赤ちゃんの覚醒状態が続いている生後30分以内に哺乳させることが第一です。
ついで生後24時間以内に7回以上の哺乳回数を確保させてあげることです。
以後はできるだけ母児同床にして、ほしがる時に欲しがるだけ飲ませてあげましょう。
赤ちゃんが起きている時には1時間ごとの哺乳になることもあります。
頻回にオッパイをあげることで、乳汁の分泌が十分に行われるようになるのです。
生後1ヶ月までは、一日に10〜12回の哺乳が標準的だといえます。
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Q51. |
げっぷがうまく出ませんが? |
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A51. |
母乳哺育では、あまり空気を哺乳中に飲むことがないのでゲップは少ないようです。
ただし乳首が扁平であったり固かったりしますと、空気を飲み込みやすくなります。
また哺乳ビンを使うと空気を飲み込みやすくなります。
ゲップの出し方は赤ちゃんの上体を起こして抱くか座らせ、背中をなでるかやさしく軽く叩いて空気を上方へ出すようにします。
肩の所で立て抱きにしてやってみましょう。
それでも出ない場合には赤ちゃんのおなかを下にして、お母さんのももと垂直に交わるようにももの上に赤ちゃんをうつぶせ寝させてももを傾けて、赤ちゃんの上体が起きるようにしてみてください。
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Q52. |
よく吐きますが? |
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A30. |
生まれて数日以内の赤ちゃんはよく吐きますが、たいていは心配ありません。
初期嘔吐と呼ばれ 数日以内になくなります。
吐く回数が減らなかったり、多くなってきたり、吐きかたがひどくなってくるようでしたら検査が必要ですので受診して下さい。
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Q53. |
お風呂はいつから大人と一緒に入れてよいですか? |
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A53. |
だいたい一ヶ月目からがよいでしょう。
その頃お母さんも入浴できますし赤ちゃんの沐浴も上手になっているでしょう。
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